コンクリート基礎は住宅作りの土台！　基礎工事の工程を詳しく解説

2023年10月24日

どんなに立派な家でも、基礎がしっかりしていないと、床が傾いたりドアや窓の開閉に不具合が出たりなどの問題が生じてしまいます。

しかし、基礎は目に見えない部分であるため、基礎工事については業者に任せきりという方も多いでしょう。

そこで本記事では、家作りの土台となるコンクリート基礎の種類や特徴について詳しく解説。

基礎工事で失敗しないためにも、家を新築する予定のある方はご一読ください。

基礎の役割とは？

基礎工事とは、地面と建物を繋げる基礎部分を作る工事です。

基礎は建物の下にあるため普段は目にすることのない隠れた部分ですが、住宅を建設する時に最も重要とされる工程の一つです。

基礎にはどのような役割があるのでしょうか？　

建物の荷重を効率的に地面に逃す

地面と建物を繋ぐコンクリート基礎の最も重要な役割は、数十トンもある住宅の重さを効率的に地面に逃がすことにあります。

また、地震や強風などで外部から建物へ振動がかかった時も、その振動を分散して地盤に伝えます。

雨や湿気から建物を守る

日本の一戸建て住宅の9割以上は木造住宅ですが、木造は湿気や水に弱い素材です。

地面と建物の間に基礎があることによって、地面から上ってくる湿気や、雨時の水から木造の建物を守ることができます。

基礎の種類　杭基礎と直接基礎

住宅の基礎工事にはいろいろな種類がありますが、大きく分けると杭基礎と直接基礎の2種類に分かれます。

杭を使って建物を支える杭基礎

杭基礎は杭とよばれる円筒の柱を地面に差し込む基礎形式で、軟弱な地盤の土地に建造物を建てる時に採用されます。

杭は軟弱な地盤の下にある硬い地盤（支持層）まで差し込まれることで、建物を支えます。

建物の荷重を直接地面にかける直接基礎

直接基礎は、基礎スラブを通じて直接地盤に建物の荷重を伝達する基礎形式です。

硬い地盤（支持層）が比較的地表の近くにある土地で採用されます。

一般的な一戸建ての建物では、直接基礎が主流です。

直接基礎で一般的な2種類

一戸建ての基礎には特殊な土地を除いて直接基礎が採用されますが、直接基礎にも複数の種類があります。

直接基礎の中で最も一般的なのはベタ基礎と布基礎の2種類です。

ここでは、ベタ基礎と布基礎の特徴を詳しく解説していきます。

ベタ基礎

ベタ基礎は、建物の下になる地面の全範囲を鉄筋コンクリートのスラブで覆い、建物を面で支える基礎形式です。

建物直下の全面で建物を支えるため、地盤が弱い土地で多く採用されています。

地震などの外力にも強く耐震性が高いのが特徴で、建物の一部だけが大きく沈下する不同沈下が起こりにくいです。

また、建物直下の地面が全てコンクリートで覆われているため、地面からの湿気も効率的に遮断できます。

ベタ基礎のデメリットは、基礎部分が広範囲なためコンクリートや鉄筋などの材料費用が増え、工事費用も高くつくことです。

布基礎

布基礎は外壁や柱などの下部分のみに逆T字型の基礎を設け、建物を点で支える基礎形式です。

ベタ基礎と比べると使用するコンクリートや鉄筋などの材料が少ないため、コストを抑えられます。

また、布基礎は柱の下などの主要部分はベタ基礎よりも深く基礎が入っているため、建物の箇所によってはベタ基礎よりも頑丈です。

デメリットは、基礎部分が少ない分、ベタ基礎に比べると耐震性は劣ります。

コンクリートで覆われていない部分からは湿気が上りやすく、シロアリなどの害虫の侵入経路となってしまうこともあります。

ベタ基礎と布基礎のどちらを選ぶのが正解？

耐震性が高く強度の強いベタ基礎の方が優れていると思われがちですが、地盤のしっかりした土地や、凍結震度よりも深く基礎を施工する必要のある寒冷地では、布基礎の方が適しているケースも少なくありません。

逆に地盤の緩い地域や湿気の多い地域では、コストはかかってもベタ基礎を選ぶメリットは大きいです。

住宅を建てる土地の地盤、気候、湿気度などを考慮して、どちらの基礎形式が適しているのかを判断しましょう。

まとめ

新築の家を建てる時に間取りや外観には注意を払うけれど、基礎のことはさっぱり分からず、施工業者に全て決めてもらうという方も多いでしょう。

しかし、基礎は家の土台となる重要な部分なので、最低限の知識は持っていたいところです。

家を建てる土地の土壌、気候、予算などを考慮して、適切な基礎を選ぶことは家作りの大切な第一歩となります。

今回紹介した基礎の種類やその特徴をしっかり把握した上で、後悔しない基礎選びをしてください。